[遊戯王マスターデュエル]クシャトリラを使った感想

ゲーム

先日、ついにマスターデュエルに”クシャトリラ”が襲来した。

せっかくだから、と思って”クシャトリラ”デッキを組み、ランクマッチで10戦した。

まだまだ浅いが、思ったことを書いてみようと思う。

なお、使っている”クシャトリラ”はかなり一般的なものになると思う。「FNo.フューチャーナンバーズ0 未来龍皇みらいりゅうおうホープ」などは採用せず、「クシャトリラ・アライズハート」「クシャトリラ・シャングリラ」を中心に戦うデッキになっている。

デッキパワーについて

まず、思ったのは「思っていたほどデッキパワーは高くない」だ。

とはいえ、今までの環境デッキ及び組んだデッキと比べればかなり強い方だし、実際にプラチナ帯で勝率9割を超えている

明らかに強いデッキではあるのだが、現環境に居る“ピュアリィ”や「魔砲戦機まほうせんきダルマ・カルマ」を得た“ラビュリンス”、そしてマスターデュエルでも過去のものとなってしまった全盛期”イシズティアラメンツ”には及ばない。事前情報の知識だけだと、これらのデッキに対しても優位に戦えると思っていただけに、かなり肩透かしを食らった気分だ。

この先でそう思った原因について更に書いていく。

ゾーン封鎖について

“クシャトリラ”といったら、先攻で相手のモンスターゾーンor魔法罠ゾーンを全封鎖して反撃の目を潰したり、エクストラデッキのピーピングを行って攻め手を絞らせる、といった所謂先攻番長的な戦い方をすると思っていた。

しかし、No.ナンバーズ89 電脳獣でんのうじゅうディアブロシス」の禁止カード化により、先攻1ターン目は相手のゾーンは1つしか封鎖できない、エクストラデッキのピーピングも相手が動かなければできないし、動いてくれても1枚のみなので致命傷にならない、と先攻を取っても全く有利な盤面は作れなかった。

また、「クシャトリラ・シャングリラ」の効果を先攻1ターン目に発動するためには「クシャトリラ・ライズハート」の効果を通すしかない。ここに無限泡影むげんほうよう」「エフェクト・ヴェーラー」などを当てられてしまうと、エースモンスターの「クシャトリラ・アライズハート」のエクシーズ召喚が出来なくなってしまうという致命的な弱点を晒すことになる。

「クシャトリラ・アライズハート」が出せないと、「クシャトリラ・シャングリラ」の効果で次のターンにリクルートする”クシャトリラ”1体のみが妨害になってしまうため、かなり脆い盤面になってしまうのだ。

「クシャトリラ・アライズハート」のマクロコスモス効果について

「クシャトリラ・アライズハート」は「マクロコスモス」に代表されるように、墓地へ送られるカードを全て除外する効果を持っている。

この効果だけで多くの墓地利用デッキは詰んでしまうし、墓地では無く除外ゾーンを駆使するデッキの場合も、「クシャトリラ・アライズハート」のエクシーズ素材を補充する②の効果で除外ゾーンの利用を封じられてしまう。「クシャトリラ・アライズハート」1体が突っ立っているだけで多くのデッキを詰ませてしまう凶悪効果は、これだけで”クシャトリラ”デッキを強いものとしている。

しかし、対策が全くないわけではなく、むしろ汎用カードで突破しやすい部類であるため、使ってみると思っていた以上に盤面はもろかった。

その原因はエクシーズ素材を補充する②の効果。これは強制効果であるため、相手が適当なカード1枚使っただけで勝手に効果を発動してしまう

これは、現環境では強烈なデメリットとなりえるものであり、

  • 三戦さんせんごう」、「三戦さんせんさい」の発動条件を満たしてしまう。
  • 倶利伽羅天童くりからてんどう」でリリースされる。
  • PSYサイフレームギア・γガンマ」で無効化、破壊される。

などが挙げられる。これらはどれもやられると滅茶苦茶キツくなってしまう。特に後ろ2つは、「スモールワールド」、「ワンチャン」などのサーチで持ってこれるため、対策が容易である。

また、「三戦さんせんさい」でコントロール奪取を選択されると、対象を取らないせいで逃げることが叶わない。基本は「クシャトリラ・アライズハート」自身の③の効果で自身を除外することになるが、その場合でも場に残っていた「クシャトリラ・フェンリル」「クシャトリラ・シャングリラ」などを奪われることになってしまう。フェンリルを奪われると厄介なのは当然として、「クシャトリラ・シャングリラ」も「天霆號ネガロギアアーゼウス」や「クシャトリラ・アライズハート」に変換されることになるので、コントロール奪取効果を選択されると大変なことになってしまう。

また、クリティカルにキツイカードを並べたが、それ以外にも、「無限泡影むげんほうよう」、「サンダー・ボルト」で無力化されるわ、これらは「三戦さんせんごう」で持ってこれるし、採用率の高い「クシャトリラ・フェンリル」の攻撃宣言でも死んでしまう。なんて脆いんだ……。

とはいえ、「クシャトリラ・アライズハート」への対処に数枚のカードを必要とさせた上に、そのターン中に1度きりの破壊耐性を持つ「クシャトリラ・シャングリラ」も倒し切らないと、次のターンに新しい「クシャトリラ・アライズハート」が簡単に出せてしまう手軽さを考えると、凶悪なカードであることは間違いない。

事故率について

“クシャトリラ”デッキは「クシャトリラ・ユニコーン」1枚初動で「クシャトリラ・アライズハート」「クシャトリラ・シャングリラ」&”クシャトリラ”2体を並べることができ、これが展開の要となる。

「クシャトリラ・ユニコーン」は無制限カードで、「クシャトリラ・ユニコーン」をサーチできる「六世壊むせかい=パライゾス」が制限カード、「六世壊むせかい=パライゾス」をサーチできる「惑星探査車プラネット・パスファインダー」を3積みできるので、1枚初動はデッキに7枚あることになる。「スモールワールド」を採用すれば更に安定性は上がるだろう。

1枚初動が7枚もあれば、事故率はかなり低いだろう、と思っていたのだが、それは甘かった。事故率はそこそこあることを覚悟しておいた方が良い。

魔法カードの「六世壊他化自在天クシャトリラ・パーピヤス」はデッキから”クシャトリラ”をリクルート出来るが、フィールドに”クシャトリラ”が存在しないと発動できない。なので、”クシャトリラ”を一切引けなかった際の「六世壊他化自在天クシャトリラ・パーピヤス」は完全な事故札になる。これは永続魔法の「クシャトリラ・バース」にも同様のことがいえる。

罠カードの「六世壊根清浄クシャトリラ・ビッグバン」も「クシャトリラ・ライズハート」の効果でデッキから除外して展開に使うため、2枚採用している。1枚だと素引きした時に展開出来なくなってしまうので2枚入れているが……これも素引きだとほぼ役に立たない。永続罠の「クシャトリラ・プリペア」も、除外状態の”クシャトリラ”が居ないとただのカカシだ。

そして、「クシャトリラ・オーガ」。こいつはフェンリルやユニコーンと違い、展開に使うカードのサーチが行えないため、単体だと本当に役に立たない(周りに別の”クシャトリラ”が居るとデッキピーピングを行えるし、打点が高めなので滅茶苦茶強いのだが……)。持ってこれる罠も、現状「クシャトリラ・プリペア」ほぼ一択で、「クシャトリラ・オーガ」しか”クシャトリラ”が居ない状況での「クシャトリラ・プリペア」もほぼ役に立たない。「ディメンション・アトラクター」の適用下であれば無限に蘇生させることは出来るが……。

というわけで、現状の”クシャトリラ”は「クシャトリラ・フェンリル」「クシャトリラ・ユニコーン」に展開を依存しており、これらを引き込めなかった場合、全く動けなくなってしまう。

フェンリルとユニコーン以外で展開を行うためには、「六世壊他化自在天クシャトリラ・パーピヤス」と「クシャトリラ・オーガ」の2枚初動くらいだろうか?あとは「スケアクロー・クシャトリラ」を強引に特殊召喚して「クシャトリラ・シャングリラ」を出すことにかけるくらいかな。

“ピュアリィ”などの他の環境デッキと比べると事故率が高いことは留意しておいた方が良いだろう。

誘発受けについて

「クシャトリラ・ライズハート」に対する「無限泡影むげんほうよう」や「エフェクト・ヴェーラー」「朔夜さよしぐれ」は天敵となる。

灰流はるうらら」は微妙。打ちどころと手札に依る、としか……。恐らく最もクリティカルになりやすいのは「六世壊他化自在天クシャトリラ・パーピヤス」。代償としてエクストラデッキへのピーピングを許すことになるが……。

増殖ぞうしょくするGジー」は言わずもがな。「ディメンション・アトラクター」適用下だと撃てないことにだけ注意。

PSYサイフレームギア・γガンマ」は撃ちどころか難しい。下手にフィールドを開けると別の”クシャトリラ”が飛んでくる可能性がある。「クシャトリラ・シャングリラ」の他に”クシャトリラ”が居ない時に「クシャトリラ・ライズハート」に対して撃つのが一番強いかな。

原始生命態げんしせいめいたいニビル」は致命傷。当たるともう助からない。

誘発受けは平均よりかは上だと思う。”クシャトリラ”単体の特殊召喚だけで止まっても妨害として機能するからね。

経戦能力について

これは滅茶苦茶高いと思っている。盤面に”クシャトリラ”が残っている限り、サーチ効果によって後続を呼びまくることが出来るので、生半可な除去は”クシャトリラ”に致命傷を与えることはできない。一方で、「原始生命態げんしせいめいたいニビル」などで一掃すればとリソースを取り戻すことが出来なくなり、息切れする。ドローで解決されることもあるが……。

盤面解決の柔軟性について

無い。”クシャトリラ”はキモイ”相剣そうけん“と表現されているのをよく見たが、ここが最大の違いになると思う。

“クシャトリラ”は確かに出張性能は高いカード群だが、”クシャトリラ”として戦う場合には”クシャトリラ”モンスターとランク7モンスターに依存したデッキになる。ランク7モンスターは強力なモンスターも多いが、除去効果持ちはほぼ全て対象に取る効果である。「クシャトリラ・フェンリル」「クシャトリラ・アライズハート」の除去効果も対象に取るため、対象耐性持ちへの突破が厳しい。ぼくはその対策として「エクスピュアリィ・ハピネス」を採用しているが……。それでも、あらゆる状況に対応できるか、と言われると決してそんなことはないだろう。

その点、”相剣そうけん“、特に”天威てんい相剣そうけん“は、先攻での強さに加え、相手の盤面を解決する手段にも優れているデッキである。”相剣そうけん“と”クシャトリラ”は展開のしやすさ、先攻での強さ、といった点では似ている部分があるものの、柔軟性や妨害の質は大きく異なる。

まとめ

思っていたよりも弱い……。が、環境デッキの一部ではあるのは確かだ。

また、「クシャトリラ・アライズハート」1枚で詰んでしまうデッキは多く、対抗札を引き込めないとそれだけで負けになってしまうポテンシャルを持つ。環境トップとは言い難いが、嫌われるデッキであることは確かだ。

まだ10戦しただけなので、今後考えが変わる可能性はあるが、現状だとそんな感じだ。

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