[FGO]まほよコラボ感想(後編)

Fate

前半の感想はこちら!

今回の話の根幹「水嶋まさご」関連のお話

今回のまほよコラボのお話は、有珠のプロイキッシャーの1つ、「オンリーワン/ナンバーワン・シャイニースター」が原因だったのだが……そのシャイニースターが作動したのは、

『一度でいいから、水嶋まさごの歌が、世界で一番になってほしい』

と願ったことだった。

「水嶋まさご」は、別に原作の魔法使いの夜に出ていたキャラクターではなく、このコラボで話題にあがっただけの売れないアイドルなのだが……。芸能人として活動していた木乃美が、密かに応援していたアイドルだった。

その「水嶋まさご」はアイドルとして大成することなく、(過労もしくは後になって聞いた”知りたくもない話”によって)死亡。その一件からなにもかもイヤになった木乃美は、芸能界から引退し、隈之旅館で働くことになる。

旅館で働き始めた頃の木乃美の前にシャイニースターが現れ、木乃美は上記の願いを、中ば冗談のような形で口にする。

その結果――。

世界で唯一の願い――世界でこう願っているのが木乃美一人である、とシャイニースターは判断してしまう。

少し話は逸れるが、これを唯一の願い、と判定したのは、シャイニースター側の都合だと思っている。

シャイニースターは、自身の価値を高めることに固執していた。そして、シャイニースターにとっては、自身の価値を高めるのは、叶える願いが唯一で、一番であること。

シャイニースターにとって、願いの内容なんてどうでもよくて、自身が叶えようとしているのは世界で唯一である、と判定されうることが最も重要だったのだと考えられる。

というのも起動後、つまり唯一の願いが受理された後では、『父親の病気を治したい』という願いを却下している。

父親の病気を治したい、と願う人が世界に沢山いるのは想像できるが、もしこれが続柄でなく、名前で呼ばれていた場合はどうなるだろうか?場合によってはそれは唯一になり得ると思う。

これは逆にも言えることで、木乃美の願いを受理した際は、「水嶋まさご」という名前で処理しているが、これだって言い方を変えれば、「押しのアイドルが」と言い換えてしまえば、ありふれた願いになってしまう。

恐らく、自身の価値を高めるためには自身を起動させ得る”唯一の願い”が必要であったため、「水嶋まさご」の「歌」が「世界で一番」を望むのは唯一である、と判定し、逆にその他の願いと比較する際には、他の願いを人の名前→父親、のように他の願いと被るような言い方に変えて、ありふれた願いに落とし込み、却下しやすくすることで、一番を保っていたのではないだろうか?

その証拠に、探偵の鳶丸に、アイドル時代に熱心にファンレターを送った人=木乃美の捜索を依頼したのは、水嶋まさごの家族である。水嶋まさごの家族は、少なくとも彼女のことを覚えているし、彼女のためを想わなければ、鳶丸に捜索を依頼したりはしないだろう。

自身の価値を高めるために、木乃美の想いを利用したシャイニースターは、鳶丸の言う通り、『悪辣』なのだろう。

シャイニースターに唯一の願いである、と判定されたことに憤る木乃美。こいつ滅茶苦茶良いヤツだな……。

正体を明かす前、これを語っていた時はどういう気持ちだったのだろうか……。

怒っていたのは木乃美だけではない。

草十郎は、始めは「死にたくない」として1999年のシャイニースター(大本)を壊すプランを取るように言いつつ、「(自分の死が確定してしまうが)どうしようもなくなったら2001年のシャイニースター(無力化済み)を壊してほしい」と言っていたが……。

スパークはぼくの名前だよ!

怒ってる草十郎の表情差分、少なくともFGOだとほとんど見なかったので新鮮。こういうところで決意を固めるの、良い主人公って感じでとても好印象。カッコイイね!

結局、シャイニースターの目論見は、木乃美と水嶋まさごの関係を調査していた鳶丸によって破綻することに。

このシーンは滅茶苦茶痺れた。水嶋まさごへのやるせなさとシャイニースターの悪辣さにムカムカしていたところに、スカッとする鳶丸の発言。こんなん好きにならん方がおかしいでしょ……。

嫁さん大事にしてるのも好印象。友人である草十郎とも長く付き合ってるみたいだし、かなりイイヤツ。

こうして、『一度でいいから、水嶋まさごの歌が、世界で一番になってほしい』という願いは、木乃美唯一の願いではなくなり、シャイニースターは弱体化することになる。

木乃美が願った時に集計したのは1997年。鳶丸が水嶋まさごを知ったのは2001年。発生に2年(を青子のせいで2回分で4年)の時間を要するシャイニースターの弱点を突かれる形で、シャイニースターは攻略されるのであった。

それにしても、『一度でいいから、水嶋まさごの歌が、世界で一番になってほしい』が唯一の願いでなくて良かった。故人とはいえ、歌を想い続けてくれたファンが一人だけなんて寂しいからね。

シャイニースター戦

凄く良い……。

特に鳶丸が本当に良いキャラクターだなぁと感じた。

魔術師でもない彼はこういう魔術がらみの事件に巻き込まれることは無いだろうが、その適応力と推理力(というか整理力?)で、この事件に対応し、最期にはシャイニースター弱体化の要因になるという凄まじい活躍を見せてくれてかなり好きなキャラクターになってしまった。

最後に青子(と主人公)にバトンを渡してくれるのを含めて、非常に良い展開だったと思う。非プレイアブルキャラクターとしては最高の活躍具合だったんじゃないだろうか?

FGOでの今後の活躍は望めないだろうが、別作品で鳶丸の出番が用意されて欲しい……。エルメロイ二世の冒険とかで……。

RPG部分としてのシャイニースター戦は、サポート出撃の青子で殴っていく形。むしろ主人公のサーヴァントは対策しなければすぐ死んでしまうので、大人しく青子に最期を飾らせてあげよう。(こういうところも、今回のイベントでの主人公の蚊帳の外感に繋がっている気はするが……。)


ちなみに、イベントストーリークリア後、今回戦った2つ星ではなく5つ星状態のシャイニースターと戦える高難易度クエストがあったが、そちらはフレンドから借りたキングプロテア単騎で完封。

キングプロテアだと確かに全力シャイニースター相手でもヒュージスケールで勝ててしまいそうなので面白かった。(カルデア召喚だとヒュージスケールがEXからCに落ちてるから無理やろ、とは言ってはいけない)

まさかの出演

前提でも語ったように、ぼくは魔法使いの夜は途中までしかプレイしていないが、空の境界の方はちゃんと全部観ている。

なので、式が出てくれたのは当然嬉しかったし……。

幹也と未那が出たのには驚いた。

初日から、式が家族で来ている、と言っておきながら一切姿を見せなかったので、登場させない方針かと思っていたのだが……嬉しいサプライズだった。

青子と有珠と草十郎の関係

初日に有珠が、青子に対して「貴方、まだ独身なの?」と聞いたり。

青子が、草十郎の死因が(本当は青子を助けるためだったのに)有珠を庇って死んだと勘違いしていたり。

草十郎は毎年有珠の元を訪ねるようにしていると明かされたり。

その一方で、草十郎のマイルームボイスで、好きなものを聞かれたときに、青子だ、と答えていたり。

……どうやら、魔法使いの夜だけでなく、魔法使いの夜の続編が出ても、この3人の関係性は拗れたまんまのようだ。

それはそれで面白いからいいけど……ここまで明かしてしまうなんて、もしかしてきのこ、魔法使いの夜の続編出す気無くなってない?大丈夫?

続編の情報が待たれる……。

終わりに

すっごく面白かった!

面白さのベクトルは、FGOの1部6章や7章、2部6章や、サムライレムナント等とは異なるものだったが、かなり満足度が高かった

スカッとする展開、魅力的なキャラクターたち、シリーズファンへのサービス、とかなり豪華なストーリーとなっていて、個人的には結構お気に入りのお話という評価になった。

今まで、FGOのアンケートで、好きな話を聞かれたら1部7章を選んでいたと思うのだが……次からはちょっと悩んでしまうかもしれない。そのくらい好きなお話だった。

魔法使いの夜への知識があまり無かったぼくでもそう思えたのだから、コラボイベントとしてはかなり良いものだったんじゃないだろうか?

他の人(特に魔法使いの夜を知らない人)の感想とかは見ていないのでわからないが、魔法使いの夜をプレイする取っ掛かりとしては最高の出来だったと思う。

ちょうどコラボイベント中はSteamなどでフルボイス版の魔法使いの夜がセールだったので、この機に買った人も多かったんじゃないかな?希望的観測だけど……。

ぼくはボイス無しの魔法使いの夜を持っていたので買わなかったが……どうせ覚えてないしセーブデータ無いし、新しく買ってしまっても良かったかもしれない。

というわけで、魔法使いの夜の感想でした!

やっぱりきのこのシナリオは面白い!次も期待して待ってます!

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